その、たるみの原因は“界面活性剤”が原因かもしれません
2016/12/08

界面活性剤とは?
2つの交じり合わない物質の間には必ず“界面”が存在します。
代表的な物は水と油、酢と油などです。
界面活性剤はこの水と油のような界面を変化させ混じり合わすことができます。
また、界面活性剤には洗浄作用・乳化作用可溶化作用・分散作用・気泡作用・殺菌作用があります。
界面活性剤は=人体に悪いと思っている方も多いかもしれませんが、人体にはそもそも存在しているものなので
決して悪いばかりの物ではありません。
その証拠に日用品や化粧品にも多く使われ、私たちの生活には欠かせない物になっています。
(例洗剤・化粧品・食品・シャンプー・リンス等)
自然界系(天然界面活性剤)
石油系(合成界面活性剤)
界面活性剤は上記2種類の表示を目にしますが、統一な基準ではありません。
自然界に存在する天然由来の物と、石油から合成されたものです。
天然界界面活性剤(動物・植物)で有名なのは“石けん”です。
私たちの生活に欠かせない界面活性剤ですが、現在の多くは石油系合成界面活性剤が使用されています。
その理由としては、成分を長時間安定させることが出来るからです。
界面活性剤を科学的に分類表示すると下記の4種類になります。
*陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)
*陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)
*両性界面活性剤(双性界面活性剤)
*非イオン活性剤(ノニオン界面活性剤)
界面活性剤が化粧品に使われる理由
化粧品は水と油です。
本来は交わらないものです。
それが、様々な種類の界面活性剤により、洗浄・乳化・可溶化・分散・気泡・殺菌することができます。
要するに、化粧品を作るうえで欠かせないものです。
[洗浄] 汚れを取る・・・クレンジング・洗顔・シャンプー等 [乳化] 油溶性の液体と水溶性の液体を均一に混ぜる・・・乳液・クリーム [可溶化] 油溶性の液体を水溶性の液体に混ぜ込む・・・エッセンシャルオイル等 [分散] 液体の中の違う種類の粉を均等に分散させる・・・日焼け止め・ファンデーション [気泡] 洗顔剤などがよく泡立つようにする・・・洗顔フォーム等 [殺菌] 体や髪の毛の静電気を防止する・・・ヘアリンス等
石油系界面活性剤が引き起こす問題
「肌が荒れる」「お肌のバリア機能を壊す」「たんぱく質を壊す」などが言われていますが、それはどうしてでしょうか?
私たち人間の皮膚は”皮脂膜“と”角質層“のバリヤ機能によって、有害な物から体を守っています。
「界面活性剤」は混じり合わないものを混じり合わせ、浸透させる性質があります。
つまり、皮脂膜と角質層に成分を浸透させるので、血液に侵入し血管から身体の全体に回っていってしまいます。
良いものが体に入るのは良しですが、悪いもの、ましてや石油系って聞くだけで怖いですね。
ただ、本当は一部の界面活性剤だけがバリヤ機能を壊すという事が事実です。
しかし界面活性剤には多くの種類があるので、区別するのはとても難しいですね。
石油系界面活性剤がたるみを起こす理由
シワやたるみの原因は「加齢」だけではありません。
乾燥や肌の水分不足・紫外線も原因になります。
肌の水分保持力は、角質層の細胞間脂質(セラミド)が80%、NMF(天然保湿因子)18%、皮脂膜が2%とされています。
たるみの原因は、NMF(天然保湿因子)や皮脂膜が少なくなり、角質層から水分が蒸発して表面が壊れ隙間が出来てしまい、表皮の乾燥がすすみ、お肌が薄くなりハリが無くなる事です。
私たちはお化粧品を落とす時などにクレンジング剤や洗顔料を使用しますが、この時に、界面活性剤の洗浄作用で汚れを落とします。
「NMF(天然保湿因子)や皮脂膜が少なくなる」というのは、この洗浄作用でNMF(天然保湿因子)や皮脂膜が洗い流されてしまうという事です。
そのため、私たちが気を付ける事は、クレンジング剤や洗顔料はバリヤ機能をなるべく壊さない低刺激な物を選ぶ事です。
石油系界面活性剤は界面活性剤の中でもとても強く、皮脂膜や角質層、バリヤ機能をゆるめて、少しずつたんぱく質を溶かしだす性質があるために、お肌が慢性的な乾燥状態・敏感な状態になります。
それが“たるみ”の大きな原因です。
そして更に恐いのがバリヤ機能の低下により化学物質(身体にとっての異物)を吸収し肌あれ、湿疹、アレルギーを引き起こしてしまう可能性があるということです。
落ちない口紅
私は、ノーメイクを楽しむというよりは化粧をするほうが好きです。
20代の頃は、落ちない口紅や崩れないファンデーションが流行りました。
そして、美容の知識が無い若い頃は、それらを落とす“ふき取りシート”や“クレンジングオイル”を使用していました。
理由は汚れをとにかく落とす、汚れを落とさないと肌が荒れてしまうからです。
今から考えると、とても恐ろしいことですが当時は「崩れないメイク」が流行っていましたので、強力なメイク落としが必要だったのです。
そして、結果は“ふき取りシート”は肌への摩擦が起きてしまい、炎症の原因になりました。
“クレンジングオイル”も洗浄力が強く、常にお肌が乾燥していました。
現在は美容の知識もあり、化粧品の選び方・種類・使用方法を上手に使い分けています。
クレンジングの選び方・種類
例えば
*ポイントメイクは界面活性剤の入っていないオイル(ホホバオイル・オリ-ブオイル)
や洗い流さないコールドクリームで使用する。
*その他のメイクはクリームやミルクのクレンジング剤を使用する。
*クレンジングを使用した時は高い水分保持機能のセラミド配合化粧品を使用する。
など、パーツに合わせてクレンジングや洗顔方法を変えていきます。
摩擦や高い洗浄力はシミやシワの原因になります。
みなさんも、ご自身のメイク方法(ナチュラルメイクorしっかりメイク)に合わせたりパーツに合わせて使用方法をかえたり、使用する化粧品を慎重に選ぶ事をオススメします。
まとめ
合成界面活性剤は、本来非常に優れた機能を持っています。
「界面活性剤が全て悪いもの」ではなく、これは界面活性剤に限らず私達が使用方法と種類を理解することが重要ではないでしょうか。
例えばお化粧品を使う時は天然由来の物を使用する。
洗浄力の強い石油系界面活性剤の化粧品はなるべく避ける。
食器用洗剤・風呂洗剤などを使用する時は直接ではなくゴム手袋を使用する等。
お肌や身体に優しい商品を使うという事は自然にも優しいにつながるのではないでしょうか。
私たちが使用したものは、下水を通って川に流れ自然に戻ります。
その事も忘れずに、良い化粧品・製品を選びたいですね。
参考
http://卵肌.xyz/entry77.html
http://www.dr-recella.com/concept/oil.html