ケイ素(珪素)量が減った現在の土壌と健康への影響
今と昔の土地のケイ素量
昔は土地にケイ素がたっぷりありました。
まだ、高度成長がはじまる前、大気汚染や水質汚染も少ない頃は、農薬などの化学薬品が用いられることもあまりありませんでした。
また、広い農地を活用し、休耕地を設けたり、育てる作物を変えたりと、土壌の栄養分が回復するように調節もしていました。
しかし、現代では工場や高層ビルが立ち並び、農業用地が首都圏では希少景色となり、なんとか農業を続けている農家さんでも、全盛期のように品質を維持するためには、耕地をビニールなどで管理したり、収穫量を制限せざるを得なくなっています。
工場から出る排気ガスや工場用水による大気汚染や水質汚染で、高度成長期は公害も起きました。
移動手段は車が当たり前になり、一般道でも搬送用の大型トラックが走ることで、通常生活上でも排気ガスにまみれることも気にならない「日常」になっています。
こんな状態で、ケイ素が含まれる土壌は維持できるのでしょうか。
ケイ素は、「地球大気中では酸素に次ぎ二番目に多い元素で、鉄(Fe)・カルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)といった有名処を抑え、土や岩といった地殻ではもっとも含有される鉱物(ミネラル)の一種」です。
つまり、よほどのことがなければ本来土壌をがやせることはないのですが。
昔は野菜や果物はしっかりとした味で、今とは味が全然違っていたと言われています。
これは、ケイ素がしっかりと土壌から吸収され、窒素・リン酸・カリウムの植物体への吸収量を調整していたからです。
維管束という水や栄養分を運ぶパイプをしっかりと守り、光合成を助けることで野菜や果物のうまみが高くなっていたのです。
ケイ素量が身体から減った理由
まず1つ目は、高度成長に伴って、農業は経済や工業の後ろに追いやられ、農地・耕作地が縮小したことにあります。
汚染問題で土壌回復にも時間がかかり、収穫量は減る一方なのに、ベビーブームも重なって農作物の需要は拡大するなど、需要と供給のバランスが取れていない時代が長くありました。
つまり、質より量を重んじることで、耕作地の栄養は足りず、土壌回復がないままに次の農作物の育成が始まったのです。
当然、農作物に十分な栄養が含まれていないことは、誰でも想像できます。
また補充や単価の安さから海外からの輸入品に頼ったことで、どんな土壌でどのように農作物が育ったのかを不透明にし、栄養素を無視したことにつながりました。
2つ目は、食事の欧米化、ジャンクフードやファストフード、過度のダイエット、嗜好品やぜいたく品など栄養面を無視した食生活が横行したことにあります。
栄養素不足が蓄積して、体は悲鳴を上げた壮年層になってから健康診断で引っ掛かったり、大病に罹ったりする方が増えています。
食事によるケイ素を摂取していない、または摂取したくとも体が動脈硬化や糖尿病などですぐにケイ素が活躍しやすい体内環境にないということです。
まとめ
ケイ素を今後は意識して摂取してみてはいかがでしょうか。
もともと必要な成分ですから、身体がとても喜ぶはずです。
しかし、ケイ素に限らず、栄養素を体に取り入れても、効果の影響や効果の強さに個人差があります。
それこそ、基礎疾患があれば、ますはその症状緩和から始まりますから、ほしかった効果がなかなか現れないこともあります。
お薬ではありませんから、「体質改善をしているんだ」という意識で気長に構えて行きましょう。